自動運転に「地図」は本当に必須か? ティアフォー(593A)とダイナミックマップ(336A)の株価を検証

自動運転に「地図」は本当に必須か
ティアフォー(593A)とダイナミックマップ(336A)の株価を検証

「自動運転には地図が要る」と考えて地図企業に注目した筆者が、先行する米国の現実を調べて、考え直した。

自動運転の株を探すとき、筆者はこう考えた。「車が自分で走るには、センチメートル単位で正確な地図が要る。ならば、その地図をつくる会社が本命ではないか」。そこで目をつけたのが、ダイナミックマッププラットフォーム(336A。以下、ダイナミックマップ)だった。

ところが、自動運転で先行する米国を調べると、この前提が揺らいだ。最も多くの無人タクシーを走らせているWaymo(ウェイモ)は精密な地図を使う。一方、イーロン・マスク氏がCEOを務めるテスラは、高精度の地図を使わず、カメラのAIだけで走らせている。しかも「地図を使う側」にも「使わない側」にも、事故や当局の調査は起きている。

では、日本の自動運転関連株は何を見て選べばよいのか。この記事では、自動運転の「頭脳」をつくるティアフォー(593A)と、「地図」をつくるダイナミックマッププラットフォーム(336A)を並べ、「地図は本当に必須か」という筆者自身の仮説を検証する。なお両社はいずれも赤字の成長企業で、株価は上場後に大きく振れている。投資を勧める記事ではない。

目次

Ⅰ.先行する米国は、地図を「使う側」と「使わない側」に割れていた

結論から言うと、米国の自動運転は「地図で走るWaymo」と「カメラのAIで走るテスラ」に方式が割れている。台数ではWaymoが先行するが、テスラは急速に追い上げている。

まず、Waymoとはどういう車なのか。Alphabet(Googleの親会社)傘下の企業で、運転席に誰もいない「無人タクシー」をサンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックス、オースティンなどで走らせている。屋根の上の丸い装置が、周囲をレーザーで測る「LiDAR(ライダー)」というセンサーだ。

サンフランシスコの路上に停まる、白いWaymoの無人タクシー。屋根と車体の周囲にLiDARなどのセンサーが取り付けられている。
サンフランシスコを走るWaymoの車両(2023年撮影)。屋根のセンサーが周囲を測る。
写真:Dllu/Wikimedia Commons(CC BY 4.0)

台数を比べておこう。Waymoは全米で約3,000台(2025年12月に3,067台と米当局に報告)を走らせ、週に約50万回の有料運行をこなしているとされる(2026年3月時点)。テスラは全米の台数を確認できなかったが、テキサス州の登録データは公開されている。

時点テスラWaymo何の数字か
2026年5月42台577台テキサス州に登録された無人車両
2026年8月27日270台736台同上(自動運転ラボの報道)。9月にはさらに増えたとの報道もある
全米確認できず約3,000台Waymoは2025年12月の当局提出資料。登録台数であり、稼働台数とは別

この表から言えることは二つある。第一に、規模ではWaymoが先行している。第二に、「テスラは遅れている」と決めつけるのも正確ではない。テキサス州での登録台数は、約3か月で42台から270台へ約6.4倍に増えた。登録されていることと、実際に客を乗せて走っていることは別だが、差は急速に縮まっている。

では、二つの方式は何が違うのか。ここが、筆者が最も驚いた点だ。

WaymoとテスラのAI自動運転の違いの図解。Waymoは事前に作った高精度3次元地図に、LiDAR・カメラ・レーダーの実測を重ねて判断する。テスラはカメラ8台の映像からAIが直接判断し、高精度地図は使わない。GPSは大まかな位置の把握用で、Starlinkは通信用。

Waymoは、運行する街を事前に走って精密な3次元地図をつくり、走行中にLiDAR・カメラ・レーダーで実測した情報を重ねて判断する。Waymo自身が公式ブログでそう説明している。これに対し、イーロン・マスク氏率いるテスラは、2026年9月に始めた新型車「Cybercab(サイバーキャブ)」で、8台のカメラの映像をAIが直接読み取って運転する。LiDARもレーダーも使わず、高精度地図も使わない設計だ。

筆者は当初、イーロン・マスク氏が創業したSpaceXの衛星から、テスラが位置情報を得ているのかと想像していた。だが、そうではない。車にはGPS(おおまかな現在地とナビ用)が別に積まれている。SpaceXの衛星通信「Starlink」も搭載されるが、用途は通信(ナビ、顧客対応、車両管理)で、テスラの幹部は「安全な運行には必須ではない」と述べたと報じられている。

地図を使う方式と、使わない方式。どちらが安全なのか。次に、安全面のデータを見ていく。

Ⅱ.安全性は「地図のおかげ」とは言い切れない

結論から言うと、Waymoは良好な安全データを公表している。ただし、その理由が地図なのか、LiDARなのか、運用の慎重さなのかを分けた証拠はなく、地図が安全の決め手だとは言えない。

Waymoは2026年9月、2026年6月末までの累計2億7,000万マイル超(約4億3,000万km)の無人走行について、同じ都市の人間の運転と比べた結果を公表した。比較対象は、アトランタ、オースティン、ロサンゼルス、フェニックス、サンフランシスコの5都市だ。

重傷以上の事故95%減人間の運転と比べて
人身事故になった衝突82%減同上
歩行者がからむ人身事故93%減同上

保険大手スイス・リー(Swiss Re)との共同分析でも、傷害の保険請求が約9割少ないという結果が報じられている。ただし、これらはWaymo自身の集計と、限られた5都市の結果だ。

一方で、Waymoにも課題は起きている。停車中のスクールバスの横を違法に通過する事例が複数の州で報告され、NHTSA(米運輸省道路交通安全局)が調査に入り、Waymoはソフトウェアをリコールした。冠水した道路への進入を理由とする別のリコールも報じられている。

テスラ側にも動きがある。2026年5月、ロボタクシーが遠隔操作中に少なくとも2回、低速で衝突していたことが、NHTSAへの報告で明らかになった。9月10日にはNHTSAが、Cybercabの認証の経緯について21項目の回答を9月30日までに求める特別命令を出した。

これらは「どちらかを叩く材料」ではない。Waymoは公表データが厚く、問題が起きても調査と改修の記録が残る。テスラは台数が少なく運行期間も短いため、同じ土俵で比べられるデータがまだ少ない。「地図を使わない方式が危険だ」とも「地図があるから安全だ」とも、現時点では断定できない。

米国では、地図に頼る道と頼らない道が並走し、どちらも安全面の検証の途上にある。では日本はどうか。

Ⅲ.日本は制度が先に整い、現場は試行錯誤が続く

結論から言うと、日本は2023年からレベル4(特定の場所で運転手なしを認める段階)を制度上は認めているが、現場には事故と撤退を経験した例もあり、順調とは言い切れない。

改正道路交通法は2023年4月1日に施行され、運転手のいないレベル4の自動運転を「特定自動運行」として、都道府県の公安委員会の許可で認める制度ができた。政府は、レベル4の自動運転ができるバス、タクシー、トラックを2030年度に1万台とする目標を掲げているとされる。制度の後押しはあるが、個別企業の業績を保証するものではない。

現場では、試行錯誤が続いている。福井県永平寺町では、日本初のレベル4の自動運転サービスが2023年から走っていた。2023年10月には自転車との接触事故が起き、原因は、自動ブレーキのための学習データが不足していたことと報告された。このサービスは2026年3月31日に休止した。発表された理由は、事故そのものではなく、開発企業の一部が事業から撤退し、車両やシステムの保守期間が2025年度末で切れることだった。

事故は技術の問題であり、撤退は事業の問題だ。事故がなくても、事業として続かなければ、止まる。日本の自動運転関連株を見るときは、技術の進み具合と、事業として採算が取れるかの両方を見る必要がある。

トヨタ・日産は、「地図型」か「カメラAI型」か

日本の自動車メーカーは、自動運転にどこまで積極的なのか。結論から言うと、トヨタは「地図型」と「AI型」のどちらか一方ではなく、複数の道に足を置いている。日産は、英国のAIスタートアップと組む方向を明確にしている。

メーカー確認できた取り組み
トヨタ①高度運転支援「Teammate(チームメイト)」(MIRAI・レクサスLS)にダイナミックマップの高精度地図が使われている
②2026年8月27日、2028年に市街地でも手放し運転ができるレベル2++の車を投入すると発表。内製のE2E(AIが映像から直接判断する方式)で開発と報じられた。センサーや地図の使い方は確認できなかった
③米国のWaymoと2025年4月に戦略提携の基本合意。2026年4月には、Waymoが自家用車への搭載についてトヨタと協議していると報じられた
④ティアフォーに約1%出資
日産2027年度に、英Wayve(ウェイブ)のAIと次世代LiDARを使った新型プロパイロットを国内で発売予定(日産の発表)。2025年9月には、この技術の実験車が東京・銀座の一般道を走った

つまりトヨタは、地図を使う運転支援をすでに量産車に載せつつ、内製のAIと、Waymoとの提携も進めている。「Waymo型」か「テスラ型」かでいえば、両方を並べて試している状態だ。日産も、AIとLiDARを組み合わせようとしている。なお、ダイナミックマップはトヨタ、日産、ホンダ、米GMなどに地図を提供していると報じられている(日系メーカー向けは自社の地図、北米の日産・GM向けは子会社のUshr経由とされる)。ホンダなど他のメーカーは、確認できた情報が十分でないため、ここでは触れていない。

では、この日本の市場に挑む2社は、それぞれ何をしている会社なのか。まず「頭脳」をつくるティアフォーから見ていきたい。

Ⅳ.ティアフォー(593A):「頭脳」をつくる会社の、上場から2か月半

結論から言うと、ティアフォーは自動運転のソフトウェアをつくる赤字のベンチャーで、上場後の株価は材料に敏感に反応して大きく振れた。トヨタの出資は約1%にとどまる。

ティアフォーは、名古屋大学発のスタートアップだ。オープンソース(誰でも使える形で公開された)の自動運転ソフト「Autoware(オートウェア)」の開発を主導し、2015年に設立された。自動車メーカーなど18社との協業を進めており、トヨタの次世代モビリティ「e-Palette(イーパレット)」はその例だ。

「ティアフォーはトヨタ系なのか」という疑問を持つ人は多いだろう。確認できた事実はこうだ。2026年6月9日、トヨタ自動車の戦略投資子会社「トヨタ・インベンション・パートナーズ」が、約10億円を出資し、持ち分は約1%と報じられた(報道によって、出資主体を「トヨタ自動車」とするものもある)。出資は上場の約1か月半前だ。上場時の主要株主は、SOMPOホールディングス21.3%、創業者の加藤真平氏11.0%、ヤマハ発動機6.6%、いすゞ自動車5.7%、KDDI4.0%などで、トヨタは上位に入っていない。「トヨタ系」と呼ぶと実態より大きく伝わる。

次に、上場後の株価を時系列で整理する。

日付出来事株価
7月22日東証グロースに上場公開価格1,085円/初値1,009円
8月7日年初来安値871円
8月20日ごろ〜9月3日「自動運転関連株」への物色が強まり、約2週間で約3倍に。8月27日には、トヨタが2028年にレベル2++の自動運転システムを搭載した乗用車を投入すると報じられた―
9月4日始値3,500円で寄り付き、取引時間中に上場来高値をつけた後、ストップ安まで急落。日経は「過熱感から売り」と報じた高値3,790円→終値2,870円(前日比-700円、-19.6%)
10月7日取引終了後、日本取引所グループが新基準のTOPIX構成銘柄の初回の入れ替えを発表し、ティアフォーなどの採用を明らかにした。夜間の私設取引(PTS)で買いが入り、17時台に2,302円をつけた終値2,135円(前日比+38円、+1.81%)

安値の871円から高値の3,790円までが、約4週間。高値3,790円から10月7日の終値2,135円までの下落率は約44%だ。

10月7日の発表は、株価の材料として新しい。東証株価指数(TOPIX)は2026年10月から新しい基準に移り、7日が初回の定期入れ替えの発表だった。日本取引所グループは、新基準のTOPIX構成銘柄に、日本マクドナルドホールディングスやティアフォーなどを採用した。ティアフォーは、東証グロース市場からの採用だ。TOPIXに連動する運用が組み入れのために買う、という需給面の期待が、PTSの上昇の背景にあるとみられる。ただし、TOPIXへの採用は、指数の基準を満たしたという意味で、業績の評価ではない。

業績はどうか。2025年9月期の売上高は64.1億円、経常損失は55.0億円。2026年9月期は第3四半期累計(2025年10月〜2026年6月)で、売上高52億円、営業損失68億円、四半期純損失42億円だった。補助金収入37億円が損失を下支えしている。通期の売上予想は85億円(前期比32.4%増)。赤字が続く、研究開発型の企業として、上場直後は珍しくない姿でもある。本決算は11月13日の予定だ。

ここで、本題の「地図」に戻りたい。Autowareは、道路の情報を3次元で扱う「ベクターマップ」と呼ばれる地図を使う設計で、ティアフォーは地図の作成ツールも提供している。一方でティアフォーは2024年、ドイツのdriveblocksの技術を使い、新東名高速道路で「高精度地図を必要としない認識技術」の実証を始めると発表している。工事区間や新設道路など、地図がまだ追いついていない場所でも走れるようにする狙いだ。つまりティアフォー自身も、地図に全面的に頼る方針とは言い切れないように見える。

頭脳をつくる会社でさえ、地図を「必須」とは置いていない。では、地図そのものを事業にする会社は、この状況をどう受け止めているのか。

Ⅴ.ダイナミックマッププラットフォーム(336A):「地図」をつくる会社の、事業転換

結論から言うと、ダイナミックマッププラットフォームは地図データを「AIの学習・検証用データ」にも広げており、事業の軸が車載地図だけではなくなりつつある。

この会社は、自動運転やADAS(先進運転支援システム)に使う、高精度な3次元地図データ(HDマップ)をつくり、販売している。前身は2016年に設立された「ダイナミックマップ基盤企画」で、2017年に日本の自動車メーカー10社などが株主となって事業会社に移行した。2025年3月に東証グロースに上場している。2026年3月末時点の大株主は、産業革新投資機構(JIC)が31.3%、海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)が14.7%だ。官民ファンドが大株主に並んでいる。

自動運転を支える3つの層と、ティアフォー・ダイナミックマッププラットフォームの位置づけの図解。地図データを担うのがダイナミックマッププラットフォーム、頭脳のソフトウェアを担うのがティアフォー、車両は自動車メーカーが担う。2社の間に直接の提携は確認されていない。

2社の位置関係を整理しておこう。地図データを担うのがダイナミックマッププラットフォーム、ソフトウェアを担うのがティアフォーだ。ただし、2社の間に直接の提携は確認できなかった。

なお、Ⅰ章の「地図あり(Waymo)か、なし(テスラ)か」という対比は、米国の2社の話で、この2社にそのまま重なるわけではない。担う層(ソフトウェアと地図)が違う、別々の会社だ。地図を扱うダイナミックマップは、地図型の方式が広がるかどうかの影響を直接受ける。ティアフォーは、地図を使う場面と使わない場面の両方に備えている。

業績には、変化がはっきり出ている。2026年3月期の売上高は56.9億円で、前期比23.8%の減収だった。一方で、新しい「ライセンス型」の売上は25.9億円と、前期比121.3%増えた。全体が減っているのにライセンス型が増えているということは、それ以外の売上が大きく減った計算になる。営業損失は18.8億円、調整後EBITDA(利払い・税・償却前の稼ぐ力を示す指標)は-5億円。ただし2026年1〜3月の第4四半期単体では、調整後EBITDAが約8億円の黒字だったと会社は説明している。

会社が前面に出しているのは、「Data for AI(データ・フォー・エーアイ)」という分野だ。自動運転・運転支援といった従来用途に加え、AIの学習・検証・認証・シミュレーションなどのために地図データを法人に提供する事業で、海外の大手半導体企業などからの需要が出ているという。10月6日には、「Japan Mobility Show bizweek 2026」に出展し、高精度3次元データのシミュレーションやAI開発への活用を紹介すると発表した。会社は「年率約30%で拡大するフィジカルAI市場の基盤データの提供者」という立ち位置を打ち出し、2027年3月期は売上高70億円、ライセンス型売上30億円、調整後EBITDAの黒字化を目標としている(会社予想。実現を保証するものではない)。

この動きには、二通りの読み方がある。車載地図としての需要が先細りかもしれないから、AI向けに軸足を移している、という読み方。逆に、AIが車やロボットを動かす「フィジカルAI」が広がれば、地図データの用途が広がる、という読み方。どちらが当たるかは、まだ誰にも分からない。決算の数字で確かめていくしかない。

株価も動いている。10月7日の終値は1,496円(時価総額約354億円)。9月4日に年初来高値2,045円をつけ、そこから約27%下がった。年初来安値は548円(1月29日)だ。

Ⅵ.同じ日に高値をつけた2社——「テーマ」と「実力」を分けて見る

結論から言うと、2社が9月4日にそろって高値をつけたのは、個社の事情ではなく「自動運転テーマ全体への物色」の結果と見られる。これからは、テーマの熱ではなく、数字で判断する段階に入る。

方式も事業内容も違う2社が、同じ9月4日に高値をつけ、その後に下がった(下落率はⅣ・Ⅴ章のとおり)。2社それぞれの業績が同じように変わったというより、「自動運転」という言葉への期待が膨らみ、しぼんだ値動きと見るほうが自然だ。ただし、株価が動いた理由は、報道や観測にもとづく解釈にとどまり、確定した事実ではない。

ティアフォーとダイナミックマップは、自動運転関連株の解説でよく名前が挙がる、テーマ性の高い銘柄だ。ただし、どちらも上場して間もない小型株で、赤字が続き、株価は大きく振れる。トヨタなどの大手は黒字で規模も大きいが、自動運転は事業の一部で、業績に直結しにくい。同じ高精度地図の分野には、アイサンテクノロジー(4667)もある。

では、テーマの熱が冷めた後、何を見ればよいのか。ここまで調べた範囲で、確認できる観点を挙げておく。

この2社を見るときの観点(投資の推奨ではなく、確認のための視点)
  • ①売上が、何から立っているか:ティアフォーは補助金への依存度(2026年9月期第3四半期累計で補助金収入37億円)、ダイナミックマップは「ライセンス型」売上の伸び(2026年3月期25.9億円、2027年3月期目標30億円)
  • ②赤字が、縮まっているか:ティアフォーは経常損失(2025年9月期55.0億円)、ダイナミックマップは調整後EBITDA(2026年3月期-5億円→2027年3月期は黒字化が目標)
  • ③安全面の実績:事故、当局の許可・調査、走行実績の公表。日本のレベル4は永平寺町のように、事故と撤退で止まった例もある
  • ④次の決算:ダイナミックマップは11月12日、ティアフォーは本決算を11月13日に発表予定。どちらも、数字が確定する日だ

いずれも「買うべきか」の答えではない。自動運転は、技術・制度・事業の三つがそろって初めて続く。

結び——「地図は必須か」への、現時点の答え

冒頭の問いに戻る。自動運転に、地図は本当に必須か。

現時点の答えは、「方式による」だ。Waymoのように地図を使い、LiDARを重ねる道がある。テスラのように地図を使わず、カメラとAIで走る道もある。どちらも、安全面の検証は続いている。地図が必須かどうかは、技術が決めるだけでなく、「どの方式が、安全に、採算に合う形で広がるか」という、これからの競争が決める。

筆者は、地図企業に注目した最初の仮説を修正した。地図は「必須」と言い切れる前提ではなく、「確かめるべき仮説」だ。カメラAI型と地図型のどちらが広がるのか、両社が方式の変化にどう対応するのか。株価の上げ下げよりも、決算の数字と方式の変化を、一つずつ追っていきたい。

なお、AIが車やロボットを動かす「フィジカルAI」が次の競争の舞台になるという話は、米中のAI覇権争いを扱った記事でも触れている。上場後に株価が大きく振れた銘柄の見方は、キオクシアの銘柄ウォッチも参考にしてほしい。

【更新予定】

ティアフォーのTOPIX採用に関する続報、ダイナミックマッププラットフォームの決算(11月12日予定)、ティアフォーの本決算(11月13日予定)、およびNHTSAのテスラへの調査の進展があった場合、判明しだいこの欄に追記します。

免責事項 ── DISCLAIMER
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・銘柄・国・地域への投資を推奨するものではありません。個別株の将来の業績・株価を保証するものではなく、記載した将来の計画・目標は会社予想または報道にもとづくものです。株価・台数・業績等の掲載データは2026年5月〜10月7日時点の公開情報(Waymo・トヨタ・日産・ダイナミックマッププラットフォームの公式発表、テキサス州の登録データ、ティアフォー上場関連資料、各種報道、株価情報)に基づくものであり、状況は流動的に変化します。米国の台数は登録台数であり、実際の稼働台数とは異なります。Waymoの安全性データは同社自身の集計です。投資には元本割れのリスクがあります。実際の投資判断はご自身の責任において行ってください。
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