フィジカルAIとは?ヒューマノイドとの違いと関連株5社

フィジカルAIとは?ヒューマノイドとの違いと
日本の関連株5社

3つの言葉を整理すると、今動いているのは人型ロボットではなく、工場のロボットと、それを支える部品だった。

ニュースで「フィジカルAI」「AIロボット」「ヒューマノイド」という言葉を見かけて、全部同じ話だと思っていないだろうか。筆者は、そう思っていた。

ところが調べると、「フィジカルAI」という大きな箱の中に「AIロボット」が入り、その中にさらに「ヒューマノイド(人型ロボット)」が入っている。見分けがつくと、ニュースの読み方が変わる。

そこで、この記事の問いはこうだ。今のフィジカルAIは、将来ヒューマノイドになるのか。なるなら、それはいつか。世界の大手の動きと日本の現在地を確かめ、日本の関連企業5社が「何を作っている会社か」を、専門用語をできるだけ使わずに整理する。なお、投資を勧める記事ではない。

目次

Ⅰ.フィジカルAI・AIロボット・ヒューマノイド——言葉は「入れ子」になっている

結論から言うと、3つの言葉は並んでいるのではなく、フィジカルAIの中にAIロボットがあり、その中にヒューマノイドがある、という入れ子になっている。

前提として、「フィジカルAI」には公的な定義が確認できていない。以下は、各社・メディアの説明をもとにした整理だ。

フィジカルAIの中にAIロボットがあり、その中にヒューマノイドがあることを示す入れ子の図解。フィジカルAIは自動運転車やドローン、ロボットアームなど。AIロボットは言葉の指示を理解して動くロボット。ヒューマノイドは人の形をしたロボット。
フィジカルAI・AIロボット・ヒューマノイドの包含関係(公的な定義ではなく、本記事での整理)

フィジカルAIは、AIが現実の世界を見て、自分で考え、体を動かす技術の全体を指す、という説明が複数のメディアにある。ChatGPTのように画面の中で答えるAIが「デジタルのAI」なら、こちらは「現実で動くAI」だ。自動運転車もドローンも、その仲間に入る。画面の中で働くAIの話は、メタのMuseとOpenAIのdotsを比べた記事で扱った。

AIロボットは、その中で「ロボットの形」をしたものだ。従来の産業用ロボットは、人が教えた動作を繰り返す機械だった。AIロボットは、「その箱を、あの棚に置いて」といった言葉の指示を理解したり、初めて見る物をつかんだりできる、と説明される。

ヒューマノイドは、そのAIロボットのうち「人の形」をしたものだ。人間用に作られた階段や通路、道具をそのまま使えるのが狙いとされる。

ここで大事なのは、今のフィジカルAIの大半は、人型ではないということだ。たとえば、米国で無人タクシーを走らせるWaymo(ウェイモ)は、フィジカルAIの一例だが、人の形はしていない。自動運転を扱った記事で書いたとおり、Waymoは全米で約3,000台(2025年12月に米当局へ報告)を走らせ、週に約50万回の有料運行をこなしているとされる(2026年3月時点)。「フィジカルAI=人型ロボット」と思うと、すでに動いている部分を見落とす。

では、世界の大手企業は、この3つの層のどこに、どう取り組んでいるのか。

Ⅱ.フィジカルAIの世界の大手は、どこで勝負しているか——上場か非上場かも見分ける

結論から言うと、世界の動きは「ロボットを作る会社」と「その土台を作る会社」に分かれる。しかも、名前が挙がる企業の中には、一般の投資家が買えない非上場企業もある。

代表的な企業を、上場の有無とあわせて表にした。

企業上場フィジカルAIでの動き(会社の説明・報道)
Alphabet
(Googleの親会社)
上場(米国)ロボット用のAI「Gemini Robotics」を開発。ロボット用ソフトを手がけるIntrinsic(イントリンジック)も、2026年2月にGoogleへ合流した。ロボットを作る会社に、その頭脳を提供する立場
NVIDIA上場(米国)ロボット用のAIモデルや、仮想空間でロボットを訓練するソフトを提供。自らロボットは作らず、他社の土台になる
Tesla上場(米国)人型ロボット「Optimus(オプティマス)」を開発。カリフォルニア州のフリーモント工場の生産ラインで、限定的な生産を始める計画と報じられている
SpaceX上場(米国)Teslaとの合弁で、AI半導体の製造拠点「テラファブ」を建設すると発表。目的の一つに、Optimus向けの半導体の確保がある
Micron
(マイクロン)
上場(米国)AI用のメモリ半導体の大手。CEOは9月30日の決算説明で、ヒューマノイドも将来のメモリ需要を押し上げうると述べた
Figure AI非上場米国のスタートアップ。人型ロボットを開発し、BMWの工場への導入が報じられている
Unitree
(ユニツリー)
上場(中国)中国の人型・四足ロボットのメーカー。2026年8月19日に上海のSTAR市場へ上場

「土台」を作る会社は、完成品が普及する前から動いている

表の中で、特に見てほしいのは、NVIDIAとAlphabetだ。両社は人型ロボットの完成品を売らず、頭脳となるAIや訓練用のソフトを提供する側にいる。NVIDIAの決算を扱った記事で書いたとおり、同社はAI半導体で大きな売上を上げている。SpaceXの「テラファブ」も同じ「土台」の話で、初期投資は168億ドル(約2.7兆円、1ドル=158円で換算)と報じられている。目的はOptimusなどに使う半導体の確保だ(SpaceXの決算記事)。メモリ半導体は、日本企業の例としてキオクシアの記事も参考になる。

人型の「実用」は、まだ途上

では、ヒューマノイドはどこまで実用になっているのか。Teslaについては、マスク氏が10月10日、Xのイベント「Takeover」(テキサス州のギガファクトリー)で、中国が電気モーター用の磁石の輸出を止めたためOptimusの計画が2〜3か月遅れたこと、「手」の開発が「驚くほど難しい」こと、生産の立ち上がりは初期にとてもゆっくりになることを語ったと報じられている(Teslarati)。マスク氏は、Optimusを2027年後半までに一般向けに提供したい考えだが、Teslaとしての正式な発表は出ていない。

Unitreeは、36Kr Japanの報道(2026年6月)によれば、二足歩行のヒューマノイド1機種だけで、2026年5月時点の累計生産台数が約1万1,000台に達した。ただし、これは生産台数で、実際にどれだけ使われているかは分からない。8月19日の上場初日には株価が一時7倍超になったが、9月2日には上場来高値から半分余り下落したとBloombergが報じている。

世界の大手が競っているのは、「人型の完成品」と「その土台」の両方だった。では、日本はこの競争のどこにいるのか。

Ⅲ.日本のフィジカルAIの現在地——政府は大きな目標を掲げ、強みは「部品」にある

結論から言うと、日本政府は2040年に約60兆円とされる市場の3割超の獲得を目標に掲げた。ただし、人型の完成品で日本が先行している様子は、確認できた範囲では見当たらない。

政府の目標を整理しよう。経済産業省の資料には、ヒューマノイドなど多用途ロボットの世界市場が、2040年に約60兆円規模になるとの見通しが示されている(出典はマッキンゼーの試算)。政府の「AIロボティクス戦略」(2026年3月26日、同年5月27日に一部変更)は、このうち20兆円規模を日本が獲得し、世界シェア3割超を目指すとしている。

2040年の世界市場の見通し約60兆円経産省資料(2026年1月、マッキンゼー試算)
政府が目指す日本の獲得額20兆円規模世界シェア3割超を目指す
官民の投資方針(2040年度まで)10.5兆円政府の官民投資ロードマップ(7月21日)

投資額の10.5兆円は、政府の「官民投資ロードマップ」(7月21日)に、「2040年度までで10.5兆円と想定」と書かれている。投資の対象には、AIロボットの研究開発に加えて、「減速機やモーター、センサー、蓄電池等の重要コンポーネントサプライヤー」の研究開発・設備投資も挙げられている。政府も、完成品だけでなく部品を重視している。

日本の現状について、経産省の資料(2026年1月)は、日本は産業用ロボット市場で約7割のシェアを持つが、近年は低下傾向にあると述べている。製造業以外のサービスロボットでは、米欧中に後れを取っている。政府は日本の強みとして、世界有数の産業用ロボット、部品・素材・装置のサプライチェーン、現場での実装・運用のノウハウを挙げている。政府資料には、2040年までにAIロボットを1,000万台規模で国内に導入する目標もある。

米国・中国・日本を、役割で比べる

得意とされる領域(確認できた範囲)課題・留意点
米国ロボットの頭脳となるAI、半導体、ソフト。Teslaなど人型の開発企業やスタートアップ人型の量産時期は、予定が後ろへずれた例がある
中国人型ロボットの量産。上場初日に株価が急騰するなど、資金も集まっている生産台数は多いが、用途の内訳は確認できていない
日本工場で使う産業用ロボットと、関節などの精密部品人型の完成品では、量産・納入の実績を確認できていない

日本の人型ロボットは、どうなっているのか。ホンダの「ASIMO(アシモ)」は、2022年3月に実演活動を終えた。川崎重工業は人型の「Kaleido(カレイド)」の最新版を、2025年12月に公開した。スタートアップのHighlanders(ハイランダーズ)は、7月に三菱自動車と基本合意書を結び、2027年に京都工場での生産開始が検討されていると報じられている。ATOM(アトム)は、日本精工と共同開発する人型ロボットの量産を2027年に始めると、8月に発表した。動きは出てきたが、いずれも量産はこれからで、納入の実績は確認できた範囲では見つからなかった。

一方で、日本が世界で存在感を持つ分野がある。工場で長く使われてきた産業用ロボットと、その関節を動かす部品だ。ATOMの人型ロボットに、日本精工のアクチュエーター(動力部品)を載せるのも、その一例だ。

つまり、日本の強みは「人型の完成品」ではなく、「人型を含むロボットの動きを支える部品と、工場での実績」にあるように見える。次に、その具体例を見ていく。

Ⅳ.こんなフィジカルAIなら、この企業——日本の5社が「何を作っているか」

結論から言うと、日本の関連企業は「ロボット本体を作る会社」と「ロボットの関節などの部品を作る会社」に分けて見ると分かりやすい。

以下は「何を作っている会社か」の整理で、投資の推奨ではない。ここで挙げた5社は、いずれもロボット以外の事業も持つ。ロボット関連の話題だけで株価が動くとは限らない。

【ロボット本体】ファナック(6954)——工場のロボットアームに、AIで指示を出せるようにする

ファナックは、工場で部品を運んだり組み立てたりする「ロボットアーム」(人の腕のような形の産業用ロボット)の世界的な大手だ。工作機械を制御する装置(CNC)も主力で、ロボットだけの会社ではない。

フィジカルAIでの動きとして、2026年5月13日にGoogleとの協業を発表した。これまでロボットアームに新しい作業をさせるには、専門家がプログラムを書く必要があった。Googleの生成AI「Gemini Enterprise」を使うと、人が「この部品を、あの箱に入れて」と普通の言葉で伝えるだけで、AIが指示を理解し、物を見つけて運ぶロボットを動かせる、という仕組みだ。同社は発表の中で、2025年12月の国際ロボット展以降、フィジカルAI関連で1,000台以上のロボットを出荷したと説明している。

業績は好調で、2027年3月期の第1四半期(4〜6月)は、売上高が2,310億円(前年同期比+17.7%)、営業利益が535億円(同+26.1%)だった。ただ、決算を発表した7月31日の翌営業日(8月3日)には、株価が前日比-14.3%(7,135円→6,114円)と急落した。通期予想の引き上げ幅が小さいとの見方が報じられている。

【ロボット本体】安川電機(6506)——形の決まっていない物もつかむAIロボット

安川電機も、産業用ロボットの大手だ。モーターやインバーター(電気の力を調整する装置)の事業も大きい。2026年7月13日には、AIロボット「MOTOMAN NEXT(モートマン・ネクスト)」と、ソフトバンクのAI用計算設備を使い、柔らかい物体(ワイヤーハーネスなど)をつかむシステムの実証を、ソフトバンクと共同で発表した。形が決まっていない物を扱うのは、決まった動きを繰り返す従来のロボットが苦手だった作業だ。

直近の10月9日に発表した中間決算(3〜8月)は、売上収益が2,856億円(前年同期比+9.8%)、営業利益が221億円(同-5.5%)だった。ロボット事業は売上収益1,184億円で全体の約41%を占める(筆者の計算)。営業利益は60億円と前年同期から43.3%減り、会社は日本での基幹システム移行に伴う生産・出荷への影響と、欧州の構造改革費用を理由に挙げている。通期の営業利益予想は、600億円から575億円へ引き下げた。ただ、6〜8月期だけを見ると営業利益は136億円(+5.8%)と増益に転じ、受注高は1,854億円で四半期として過去最高水準だった(データセンターや半導体関連が中心で、ロボットだけの数字ではない)。

【関節の部品】ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)——小さく精密な「ギア」

ここからは部品の会社だ。人型ロボットで「関節が難しい」と言われる理由から説明したい。関節には、モーターの力を、小さく・力強く・正確な動きに変えるギアのような部品が要る。これが「減速機」だ。ロボットの腕や脚が、ぴたりと止まったり、滑らかに動いたりできるのは、この部品の精度に支えられている。

ハーモニック・ドライブ・システムズ(以下、ハーモニックDS)は、この減速機のうち、小型で精密なものの世界首位の企業とされる(東洋経済の紹介記事による)。「波動歯車」という独特の仕組みで、小さな部品で大きな減速ができるのが特徴だ。人型ロボットへの期待も、報道で語られている。ただし、特定の人型ロボットへの供給関係は確認できていない。

業績は、よい面と弱い面の両方がある。2026年3月期は、売上高595.6億円(前期比+7.0%)、営業利益25.7億円(前期は0.06億円)と回復した一方、純利益は16.1億円と、前期の34.7億円から減った。8月7日に通期の営業利益予想を62億円から85億円へ引き上げたが、発表後最初の取引日の8月10日には、株価が前日比-10.9%と下がった(理由は確認できていない)。次の決算は11月11日の予定だ。

【関節の部品】ナブテスコ(6268)——ロボットの関節に使われる減速機

ナブテスコも、減速機の大手だ。同社は、中大型の産業用ロボットの関節に使う精密減速機で、世界シェアは約60%と推計している(同社の会社説明)。小型に強いハーモニックDSに対し、ナブテスコは中大型のロボット向けが中心、と得意分野が分かれる。2025年12月には、ヒューマノイドや協働ロボット向けに小型減速機の品ぞろえを広げると発表した(日本経済新聞)。ただし、自動ドアや船舶用の機器も事業の柱で、精密減速機は全社の一部だ。

7月31日に、2026年12月期の通期予想を上方修正した(営業利益277億円から326億円)。会社は、精密減速機、自動ドア、船舶用機器の需要増と為替効果に加え、持分法による投資利益の増加を理由に挙げている。

ただし、ナブテスコには注意点がある。9月30日、持分法を適用する関連会社(TMTマシナリー、出資比率33%)の利益の取り込みが過年度から少なかったとして、2021年12月期〜2025年12月期の有価証券報告書などを訂正した。会社は、8月の時点では各期の税引前利益への影響は限定的と説明していたが、決算手続きの内部統制に「開示すべき重要な不備」があり、まだ是正していないとも開示した。この対応で、次の決算は10月30日の予定から、11月13日に延期された。

【関節の部品】THK(6481)——ロボットの動きを「まっすぐ・滑らかに」する部品

THKは、機械の部品を「まっすぐ・滑らかに」動かすための、レールのような部品(直動案内)の大手だ。工作機械や半導体製造装置、産業用ロボットなどで使われる。人型ロボットの手足の動きにも関わる分野で、THK自身も、2024年9月に研究用の人型ロボットを発表した。時速12.6kmで走り、両手両足のあるヒューマノイドでは最速と当時報じられたが、事業化は未定とされている。完成品のロボットが事業の柱なのではなく、部品の会社が、技術力を示すために試作機を作った、という位置づけだ。

2026年12月期の通期予想は、売上高3,100億円、営業利益480億円(前期の営業利益は144億円)。8月5日に業績予想の修正を発表している(株探の表示値)。このうちロボット向けの寄与は確認できていない。次の決算は11月13日の予定だ。

5社を、一枚の表にすると

企業何を作っているか
ファナック
(6954)
工場のロボットアーム。Googleとの協業で、言葉の指示でも動かせる
安川電機
(6506)
工場のロボットアーム。AIロボット「MOTOMAN NEXT」
ハーモニックDS
(6324)
ロボットの関節用の、小型で精密な減速機
ナブテスコ
(6268)
中大型ロボットの関節用の精密減速機
THK
(6481)
ロボットの動きをまっすぐ・滑らかにする部品

「完成品」と「部品」を並べて見ると、フィジカルAIが広がったとき、どの層に影響が及ぶかを考えやすくなる。では、結局、フィジカルAIは今どこまで来ているのか。

Ⅴ.今のフィジカルAIはどこまでできているか——生活への影響と、投資家が見るもの

結論から言うと、今できているのは、工場・物流・自動運転のように「場所と作業が限られた用途」だ。家庭で家事をするヒューマノイドは、まだ見通しが割れている。

今できていること、まだ難しいこと

すでに動いているのは、Ⅰ章で見たWaymoの無人タクシーや、ファナックの「言葉で指示して動くロボットアーム」のような、用途の決まった場面だ。一方、人型ロボットは、生産台数を増やしている企業はあるものの、工場や家庭での本格利用の実績は確認できず、これからと読める。

私たちの生活への影響

影響が先に出るのは、工場の組み立て、倉庫の仕分け、無人タクシーのように、環境が整えやすく、作業が限られた場所だと筆者は考える。家庭は、部屋も道具も人によって違う。人型ロボットが家事をこなす姿は、ニュースの映像ほど近くないかもしれない。これは確定した予測ではなく、現時点の材料にもとづく見立てだ。

「いつ」について、確かな数字を持つ人はいない

では、人型ロボットが広がるのは「いつ」なのか。確認できた材料はこうだ。政府は、2040年にAIロボット1,000万台規模の国内導入を目標にしている。MicronのCEOは、9月30日の決算説明で、フィジカルAIが「この10年の終わりまでに」メモリ需要の大きな押し上げ要因になりうると説明し、ヒューマノイドも自動運転車と同程度のメモリが要るとの見方を示した。他方で、Teslaの例のように、時期の予定が何度も後ろへずれた事例がある。

つまり、「人型が広がる」という方向を見る企業や政府は多い。ただ、「いつ」を裏づける数字は、確認できた範囲にはなかった。いつかを当てるより、「進んでいるか」を数字で確かめるほうが、投資家には現実的だ。その数字が出る場が、決算だ。

決算で確かめたい観点(投資の推奨ではなく、確認のための視点)
  • ファナック:ロボットの受注と、フィジカルAI関連用途の出荷台数が増えているか。第2四半期決算は10月23日の予定
  • 安川電機:10月9日に引き下げた営業利益予想(575億円)に向けて、ロボット事業の利益が戻るか
  • ハーモニックDS:上方修正後の営業利益予想(85億円)に向けて、受注と利益が積み上がるか。人型ロボット向けの具体的な話が出るか(11月11日の予定)
  • ナブテスコ:精密減速機の受注が、産業用ロボット向けで続くか。人型向けの小型品の動き。内部統制の不備の是正状況(11月13日の予定)
  • THK:営業利益480億円の予想に向けて、ロボット向けの動きが数字に出るか(11月13日の予定)

結び——「人型」だけを見ていると、見落とすもの

冒頭の問いに戻る。今のフィジカルAIは、将来ヒューマノイドになるのか。

現時点の答えは、「一部はなるかもしれないが、時期は誰にも断言できない」だ。今のフィジカルAIの主役は、工場や道路で動く、人の形をしていない機械だ。ヒューマノイドは、その中の一部にすぎない。そして、完成品の競争の裏では、頭脳を提供する会社、メモリを提供する会社、関節の部品を作る会社が、それぞれの層で動いている。

筆者は、「人型ロボットの会社を探す」という見方を修正した。「どの層の話なのか」を見分けるほうが、ニュースを読み違えにくい。ファナックがGoogleと組んだというニュースは「AIロボット」の層の話で、減速機の会社の上方修正は「部品」の層の話だ。言葉の層を区別できれば、銘柄のニュースも、少し冷静に読める。

次の決算で、数字がどう動くか。人型の「いつ」を当てにいくより、決算を一つずつ追っていきたい。

【更新予定】

ファナック(10月23日予定)・ハーモニックDS(11月11日予定)・ナブテスコとTHK(いずれも11月13日予定)の決算、Teslaの人型ロボット生産の進捗、政府の「AIロボティクス戦略」関連の動きがあった場合、判明しだいこの欄に追記します。

免責事項 ── DISCLAIMER
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・銘柄・国・地域への投資を推奨するものではありません。本記事に挙げた企業は、いずれも「何を作っている会社か」の整理として紹介したものであり、順位や優劣を示すものではありません。海外企業の中には非上場の企業が含まれ、上場企業であっても、日本の証券会社で取引できるとは限りません。個別株の将来の業績・株価を保証するものではなく、記載した将来の計画・目標は会社の説明、政府の想定、または報道にもとづくものです。「フィジカルAI」「AIロボット」「ヒューマノイド」には公的な定義が確認できておらず、本記事の整理は各社・メディアの説明にもとづく一例です。株価・業績・政府目標等の掲載データは2026年1月〜10月15日時点の公開情報(各社の決算発表、経済産業省・内閣官房の資料、各種報道、株価情報)に基づくものであり、状況は流動的に変化します。一部の数字は報道・株価情報サイトによるもので、一次資料での確認ができていないものを含みます。ドルの円換算は概算レート(1ドル=158円、2026年8月6日時点)によるものです。投資には元本割れのリスクがあります。実際の投資判断はご自身の責任において行ってください。本記事の情報に基づく投資判断の結果について、KABU気は一切の責任を負いかねます。
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