個別株、怖くない。
たった2つの数字を見るだけ。
日本株の宝探しをはじめよう
オルカンは入口。本当の楽しさは個別株にある。
オルカンを積み立てている。それは正しい。間違いなく正しい。
でも正直、「株をやっている」という実感が薄くないか?
毎月自動で引き落とされて、損益の数字を眺めて、それだけ。
個別株には、投資信託では絶対に味わえない醍醐味がある。
怖い・難しい・損しそう――その思い込みを、今日で手放してほしい。
まず、インデックス積立を「基地」にする
最初に言っておく。オルカンやS&P500、TOPIXといったインデックスの積立投資は、やめなくていい。むしろ続けながら、個別株を始めるのが正しい順番だ。
個別株は余裕資金でやることが大前提だ。生活費・緊急資金・インデックス積立の後に残ったお金で始める。これは何度でも言う。
📌 「余裕資金」とは何か?
生活費の6カ月分を現金で確保したうえで、なくなっても生活に支障がないお金のこと。個別株はゼロになるリスクもある。そのリスクを取れる資金だけで挑戦する。
なぜ今、日本株なのか
「個別株をやるなら米国株では?」と思う人もいるだろう。でも最初の一歩として、日本株を強くすすめる理由がある。
日本人は日本企業の情報に最も多く触れている。テレビのCM、コンビニで見かける商品、通勤で乗る電車、使っているスマホのキャリア。生活の中で企業を「知っている」状態から投資を始められる。これは大きなアドバンテージだ。
さらに、今まさに世界が日本株に注目している。
海外投資家は2026年4月第1週(3月30日〜4月3日)に、日本株の現物を過去最大となる1兆9,149億円買い越した。
これは2013年4月第2週の1兆5,865億円を上回り、1982年の統計開始以降で最大の記録だ。
出典:日本取引所グループ「投資部門別売買状況」・ブルームバーグ(2026年4月)
世界のプロが今、日本株を買っている。その波に乗れるのは、日本企業を肌で知っている私たちだ。
「怖い・損したらどうしよう」を解決する
個別株が怖い理由は、「損が青天井に広がるイメージ」があるからだ。でも、対策はシンプルだ。損切りラインを買う前に決めておく。
損切りの目安
一般的には「買値から10〜15%下落したら売る」「損失が〇万円を超えたら売る」という数字を事前に決める方法がある。ルールを持つことで、感情に流されにくくなる。
ただ、私が思うのは、「怖い」「これ以上損するのは嫌だ」と感じた瞬間に切ることも立派な判断だということだ。数字より先に直感が動くことがある。その直感に従って切ったほうが、心が安定する。
損切りを躊躇すると、ズルズル持ち続けて大きな傷になる。早めに切って、次の宝を探す。これが個別株の正しいリズムだ。損切りした経験が「トラウマ」になりにくいし、次に買う時の判断も冷静になれる。
▶ 余裕資金(なくなっても生活に支障ないお金)で始めているか?
▶ 損切りラインを事前に決めているか?(例:買値から10%下落、または〇万円の損失)
▶ 他人の情報(SNS・口コミ)だけで買おうとしていないか?
▶ 自分で調べて「この会社はいける」と思える根拠があるか?
もう一つ大切なこと。自分が推している商品・好きなブランド・毎日使っているサービスの会社から始めるのがいい。知っている企業なら、決算発表や新製品のニュースに自然とアンテナが立つ。それが「自分で調べる」第一歩になる。
「割安株を買え」は本当か?PERの正体
個別株を始めようとすると、必ず出てくる言葉がある。「PER15倍以下の割安株を買え」だ。
これは本当に正しいのか。少し疑ってみてほしい。
PERとは何か
PER(株価収益率)とは、簡単に言うと「その企業に市場がどれだけ期待しているかを示す数字」だ。
PERが20倍なら、「この会社の1年分の利益の20倍の値段がついている」ということだ。投資家がそれだけ期待しているということでもある。
PERを作ったのは誰か
PERを広めたのは、「バリュー投資の父」と呼ばれるベンジャミン・グレアムだ。1934年、著書『証券分析』で体系化した。
ここで重要なことがある。1934年当時の企業の成長率は年率0〜5%程度の低成長時代だった。当時の企業と現代のグーグルやアマゾンのような高成長企業は、まったく別の生き物だ。
📌 「PER15倍以下=割安」という教えは、約90年前の低成長時代に作られた基準だ。現代の成長株に同じ物差しを当てても、正確な判断はできない。
低PERの株が「割安」とは限らない理由
PERが低い株は、なぜ低いのか。理由はシンプルだ。市場から期待されていないからだ。
業績が伸びない・将来性が見えない・業界が縮小している。そういう理由で誰も買わないから株価が低く、結果的にPERが低くなっている。これを「割安」と呼ぶのは的外れだ。むしろ「低PERは期待されていないサイン」と読んだほうがいい。
⚠️ PERだけで割安を判断するのは危険だ。大切なのは、その企業が今後も成長するかどうか。その判断材料が次の2つの数字だ。
株価の計算式を逆から読む|これが核心だ
ここからが、この記事で一番伝えたいことだ。
PERの計算式を、逆から読む。それだけで、個別株の見え方が変わる。
2つの数字で株価を想像する
ここで2つの言葉を覚えてほしい。
一株益(EPS)=企業の通知表。1年間に企業が稼いだ利益を、株1枚あたりに換算した数字だ。一株益が伸びるということは、企業の業績が伸びているということと同じだ。
PER=企業への期待値。市場がその企業の将来にどれだけ期待しているかを示す。PERが上がるということは、企業がより期待されるようになったということだ。
株価はこの2つの掛け算で動く。
具体的な数字で見てみる
= 株価2,000円
= 株価3,000円(+50%)
= 株価3,000円(+50%)
= 株価3,750円(+88%)
一株益が伸び、さらにPERも上がった時、株価は掛け算で大きく動く。これが個別株の醍醐味だ。インデックスファンドではこの感覚は絶対に味わえない。
📌 株価が上がる条件は2つだけ。「一株益(業績)が伸びること」と「PER(期待値)が上がること」。この2軸で企業を見ていくと、勝率が変わってくる。
四季報という宝の地図を手に入れる
では、一株益とPERをどこで調べるか。答えは会社四季報だ。
あの分厚い本を見たことがある人は、「読む気にならない」と思ったかもしれない。正直に言う。私も毎回、読み始めるまでに気合がいる。
でも読み始めると止まらない。なぜなら、あの中には上場している全企業の業績データと予想が詰まっているからだ。宝の地図を広げているのと同じ感覚だ。
見るのはたった2つ
四季報を全部読むのが理想だ。でもそれは慣れてからでいい。最初は2つだけ見る。
① 一株益(EPS)の伸び ── 直近3期分を確認する
前々期・前期・今期の一株益の欄を見る。数字が右肩上がりになっているか。これからも伸びそうか。伸びている企業は、業績が成長しているということだ。
② 来期のPER ── 期待値はまだ上がりそうか
来期の予想PERを確認する。業界平均や過去のPERと比べて、まだ低いなら市場の期待が追いついていない可能性がある。
この2つが揃っている企業を見つけたとき、こう考える。
「一株益がこれだけ伸びている。PERがまだ低いなら、今後期待が高まれば株価はどこまで行くか」
その想像が、宝探しの本質だ。
📌 四季報は年4回発行される。3月・6月・9月・12月が目安。新しい号が出るたびに、新しい宝が眠っている。1冊3,000円前後。これが日本株の宝の地図だと思えば、安い投資だ。
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最初の頃は、PER15倍以下の銘柄を探して買っていた。勝率は良くなかった。後から気づいた理由は単純で、PERが低い株は市場から期待されていない株だったのだ。
発想を変えた。PERを「割安の物差し」としてではなく、「株価の計算式の一部」として使うようになった。一株益が伸びているか。PERがまだ上がる余地があるか。この2軸で銘柄を見るようになってから、勝率が変わってきた。
今では四季報を読まないと、新しい株が買えない感覚がある。分厚い本の中にある無数の企業データを眺めていると、ふと「これは」と思うページがある。付箋を貼って、決算をチェックして、買うタイミングを計る。これを宝探しと言わずに何というのか。
個別株の醍醐味は、自分の判断で買って、自分の判断で売ることだ。外れても、それは自分の判断だ。正解しても、自分の判断だ。その積み重ねが、投資家としての目を育てる。オルカンには、この体験はない。
四季報を開く。
一株益とPERを確認する。
これだけで、宝探しが始まる。
── KABU気・景気は気
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| ①基地を作る | インデックス積立をほったらかしで続ける | オルカン・S&P500・TOPIXでOK |
| ②余裕資金を確保 | 生活費・緊急資金の後に残った資金だけで始める | なくなっても生活に支障ない金額で |
| ③損切りラインを決める | 買う前に「ここまで下がったら売る」を決める | 直感で「怖い」と思ったら切っていい |
| ④四季報を買う | 一株益(直近3期)とPERだけ見る | 年4回発行。1冊3,000円前後 |
| ⑤繰り返す | 負けたら損切り。次の宝を探す | この積み重ねが投資家の目を育てる |
本記事は投資に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。個別株投資には元本割れのリスクを含み、損失が生じる可能性があります。掲載している数値・シミュレーションは将来の運用成果を保証するものではありません。実際の投資判断はご自身の責任において行ってください。税制・制度の詳細は変更される可能性がありますので、最新情報は金融庁・各金融機関の公式情報をご確認ください。本記事の情報に基づく投資判断の結果について、KABU気は一切の責任を負いかねます。